時計ブランドが著名なアンバサダーと節目を祝うとき、展開はたいてい予想できる。新しい配色の限定モデル、サイン入りの裏ぶた、そしてお決まりのマーケティングキャンペーンだ。しかしLos Angeles Dodgersのスーパースター、Shohei Ohtaniとの10周年を祝うため、Seikoは従来の筋書きを完全に捨て去った。
新しい文字盤をデザインしただけではない。3年をかけ、完全オーダーメイドで世界に一本しかない機械式の驚異、 Seiko Star Time を作り上げた。
発想の原点:Shohei Ohtaniの実存的な問い
Star Timeはカタログに載せるためではなく、Los Angeles Dodgersのスーパースター、Shohei Ohtaniのために作られた。
OhtaniがSeikoのブランドアンバサダーに就任して10周年を迎えるにあたり、同社は真の ユニークピース を目指した。きっかけは、Ohtani自身が投げかけた哲学的な問いだった。 「野球選手としての自分には、あとどれだけの時間が残されているのだろう?」
経過した秒数を測る従来のクロノグラフではなく、Seikoは3年をかけ、絶え間なく積み重なる時間そのものを計測する時計を開発した。
100万まで、どう数えるのか?
新設計の自社製ムーブメントが、5枚の同心円状回転ディスクによる極めて異例な表示を駆動する。ディスクが回転すると、数字は大きくドーム状に盛り上がったサファイアガラスの内面にある赤い線の下を通過する。
100万時間は、連続計測でわずかに 114年 を超える。外側のディスクは非常にゆっくり動くため、肉眼ではその動きをまったく捉えられない。Seikoはこれを、星が夜空をゆっくりと一定に移動する姿になぞらえた。Ohtaniが日々重ねる鍛錬と、長く残る功績を視覚化したものだ。
究極の実力証明
実用的かと問われれば、そうとは言い難い。最も外側のディスクが一回転するところを見るだけでも、1世紀以上にわたり絶えず着用し続けなければならない。しかし、このようなコンセプトウォッチの目的は実用性ではない。
Star Timeは、その存在自体が深いメッセージを放つ時計だ。Seikoには、超複雑な一点物の高級時計を作るための技術力、専用ムーブメントの設計力、そして詩的な構想力があることを証明している。今のところ、動くStar Timeを見る唯一の方法は、Shohei Ohtaniの左手首を垣間見ることだ。
最初のコメントを投稿する